〔082〕塩見岳 (3,047m)

       標高差:1,417m
累積標高差:2,100m

2006年11月03日(当時57歳)


日本百名山に戻る

静岡県静岡市葵区小河内
登り:6時間10分
下り:5時間10分
鳥倉林道駐車場(標高:1,630m)
  林道ゲート手前の駐車場に着いたのは夜中の2時。先行車は6台で3連休前にしては少ない感じがした。駐車場横にはトイレも出来ており、ゲートを開放する気はない様だ。 綺麗な星空が広がっており明日の
天気に期待が持てた。
トータル:11時間43分(東峰往復、休息時間含む)
深田久弥著の「日本百名山」から
  三伏峠の上に立って、そこから眼の前に中俣を距てて仰ぎみた塩見岳のすばらしい姿に、旅人は暫く
は息を呑む思いをしたであろう。 実際、この峠からの塩見岳は天下一品である。このみごとな山に、
名前をつけず放っておくわけはない。
Road Map :中央道松川ICから大鹿村へ。鳥倉林道を16km走る。。
Route Map:鳥倉林道ゲート〜登山口〜三伏峠〜本谷山〜塩見小屋〜西峰〜東峰を往復。
林道ゲート 鳥倉登山口 三伏峠 三伏山 本谷山 塩見小屋 天狗岩  塩見岳
5:50 6:26 8:23 8:36 9:25 10:58 −−− 12:00
塩見岳 天狗岩 塩見小屋 本谷山 三伏山 三伏峠 鳥倉登山口 林道ゲート
12:23 −−− 13:07 14:34 15:23 15:33 17:01 17:33
出発時はまだ暗かったので、駐車場、ゲートの写真は下山時に撮ろう
と思っていた。 ところが下山時は更に暗くて写真を撮れなかった。
ゲートの写真はネットから無断借用してきました。
林道歩きは東側に深い谷を巻く様に進むが、
どこからも駐車場の車が見えて虚しさを感じる。
登山口からの少し急な登りをこなすと後はシラビソ林の中を淡々と
進むのみである。 樹林の密度は低く、周辺の山も結構見えていた。
”三伏峠”までは全行程中の半分も満たない。
日帰りは大丈夫であろうか心配になってくる。
例によって6時間歩いて目処が経たなければ引き返そう。
出発して2時間13分で塩川小屋への登山道分岐に出る。
似た様な名前ばかりなので間違って下山すると飛んでもない
ことになるので気を付けなければ。
展望の開ける箇所からは ”仙丈ヶ岳”とその奥に白砂か積雪か
判断が付かない ”甲斐駒ヶ岳”が見えていた。 幾分、空気が霞んでいる。
  標高が上がってくるとすっかり雪景色になってしまった。 今日はアイゼンも防寒着もカッパも
持って来て居ない。 山頂付近は大丈夫であろうか。 現在、気温0℃、Tシャツで歩いているが
流石に寒い。 先行者は一人だけか? 昨日降った雪面には一人の足跡しか見られない。
まったく追いつかないので足の早い人か早立ちした人だろう。
2時間33分にて ”三伏峠”に着く。
標高は2,560m、登山口からの標高差は930m。
ここに先行者が休憩していた。 5時に駐車場を出発し
たらしいので、どうりで追い付かないはずであった。
壊れかけの危なっかしい橋に雪が載っており、ソールの磨り
減った靴は滑りまくる。 今日の嫌な予感は当たり始めてきた。
登山口より46分歩いた地点にあった表示。
登山口の表示では”約4km、約3時間”
であったが、1kmと30分減っている。
この差は誤差ではすまされませんぞ!
塩見岳の感想
  先輩が来ていれば喜ぶだろうなーと思える岩峰登りを含め、塩見岳はすごく良い山に感じた。
鳥倉林道からの登山道が開かれアプローチが短くなったとは言え、登り返しの多さを含め行程が
長過ぎる。 聖岳で会ったじいさんが塩見岳は簡単だと言われていたのは、泊りでの話しで、
こちとらは日帰りしか頭にないので勘違いしてしまった様だ。 泊りで縦走なら楽で楽しい山に
なるのかも知れない。
やっぱり日帰りが好き
  バタバタした日帰り登山が面白い訳ではないが、大きなザックを背負ったヤドカリさんを見る
度にお気の毒と思ってしまう。 山でテントを張ってゆっくりするのも、何もすることが無く退屈
なだけではないのだろうか。 人の好みの範疇なので何とも言いようがないが、自分は軽装備で
動き続けていたい。
帰路に着く
  奥穂高の日帰りも視野に入れていたのだが、塩見岳が予想以上に時間が掛かったこと、北ア方面にガスが掛かっている感じがすることから、折角の三連休ではあるが一山で終えることにする。
これで今年の百名山詣では終了します
  今年は天気と休日が噛み合わず、一遠征一山も多く、新規12山、リーピートを入れると13山と例年より少なめで今年の日本百名山詣では終了となりました。
林道の舗装が切れてしばらく歩くと旧駐車場の広いスペースと登山口
が見えてくる。 周辺は紅葉ではなく黄葉が広がっていた。
まだ薄暗いので下山時に撮ろうと思ったが、下山時の方が暗かった。
周辺の山は薄っすらと雪化粧している。 今日は何か嫌な
予感がするので登山届けを出しておく。
気温は3℃、風が無いので歩き易い温度ではあった。
前日の移動
  中央道の松川ICをETC深夜割引となる0時過ぎに下りて、大鹿村まではすんなり行くことが出来た。
大鹿村に入ってから鳥倉林道の入口を見付けることが出来ず周辺をウロウロする。 小さな標識を見逃し
てしまった様だ。 大鹿村からの鳥倉林道は実測16km、意外にも舗装された綺麗な道だった。
大鹿村は多鹿村だった
  夜中に車で走っていると多くの鹿と出合った。住宅の直ぐ横にも居たので随分、保護されているのか。
タヌキ2匹とも出合い、その内ののろまなタヌキを引きそうなった。 イタチ2匹にも出合ったが、夜中の
イタチは動きに素早さが無く中々逃げなかった。
林道ゲート〜登山口(36分) 朝寝坊してしまい目覚めたのは5時半、慌てて用意し5時50分に出発する。
登山口〜三伏峠(1時間57分)
登山口から三伏峠までの
区間を10分割で表示し
てくれている。現在位置
が判り易いので助かる。
2/10:6時54分
3/10:7時05分
4/10:見逃し
5/10:7時26分
6/10:7時36分
7/10:7時46分
8/10:8時00分
9/10:8時10分
一区間10分検討になる。
危なっかしい箇所には階段、梯子が設置してあるが、
この階段の方が危なっかしい。
営業は1ヶ月前の9月30日で終了している ”三伏峠小屋”。
概ね南アルプスの山小屋は小屋終いが早い。
三伏峠から初めて”塩見岳”を見ることが出来た。左の岩峰が
天狗岩か。 遠いし急峻だし、登って帰れるのか不安になってくる。
三伏峠〜三伏山(13分)三伏峠から雪面に着く足跡は自分のものだけになる。誰か来てくれー!
兵庫県の似たり寄ったりの山は山座同定が出来ないが、ここでは特徴のある山が多く、山名が判る。
ただ中央アルプスは遠過ぎて同定はイマイチだった。
2時間46分にて ”三伏山”(2,615m)に着く。
ここからの展望は最高で遠く中央アルプスの山々を
含め南アルプスの多くの有名山を眺めることが出来た。
三伏山より見た白峰三山と塩見岳、そこに延びる縦走尾根を見る。
”三伏山”から鞍部に向かって大きく下り、”本谷山”に登り返す。
麓の集落と遠く中央アルプスの山並みを見る。
宝剣岳らしき山姿が確認出来た程度で他の山は判り辛い。
本谷山から見た ”塩見岳”。 見る方向が変わり天狗岩が塩見岳に
かぶりだした。 急峻な山である。 この尾根筋を登るのか?
3時間35分、三伏山から49分で ”本谷山”(2,658m)に着く。
三伏山〜本谷山(49分) 樹林帯を歩くことが多くなり、展望は所々からとなる。
塩見新道との分岐点に着くが、塩見新道は大雨で崩壊しているらしい。
本谷山を過ぎると樹林帯の中をどんどん下り
”権右衛門山”を巻くトラバース路に入っていく。
本谷山〜塩見小屋(1時間33分) 樹林帯の中を登り下りを繰り返しながら歩く。勾配のきつい部分は無い。
南アルプスの主要な日本百名山が数多く見られた。
5時間08分にて ”塩見小屋”の横を通過する。
小屋の中は下山時に見てみようと思う。
塩見小屋から山頂方向を見上げてみると ”天狗岩”がやけに大きく見え、
下山時間が無くなってしまう気になり、一瞬は引き返そうかとも思った。
”天狗岩”へは黄色のコースマーカーを頼り迂回気味に登るのであるが、
クサリ、階段等の人工的な補助が一切無かった。
塩見小屋〜塩見岳(1時間02分) 塩見小屋から塩見岳を眺めた時、後どれくらい時間が掛かるか判らないので引き返そうかとも思った。
人物が入って居ないので急峻振りが判らないが、
”天狗岩”への登りは楽しさを通り越している。
”天狗岩”を越えると更に急峻な岩峰が目に入り、一瞬たたずんでしまった。
取敢えず深呼吸して気持ちを落ち着かせる。 こんな場面で自分一人しか居ないのは辛い。
コースマーカーは正面攻撃的に真っ直ぐ伸びている。
これまでもっと簡単な岩峰でもクサリは付いていたのに・・・
怖い箇所を登りながら、果たしてここを下れるのだろうかと考え出した。登りでこれだけ怖いのだから下りは下りられないかも知れない。
下りのことは下りで考えよう。
デンジャラスな2箇所を登り終えて6時間10分にて
塩見岳西峰”(3、047m)に着く。右奥に見えているピークが
5m違いの最高峰である ”東峰”(3,052m)である。
3連休、晴天、百名山なのに誰も来ていないのは寂しい。
後から登ってくる様子も無い。 食欲は無くおにぎり1ヶを
無理やり詰め込み昼飯にする。
山頂の気温は2.5℃。ここまでTシャツであったが、
寒いので上着を着て、お決まりの証拠写真を撮っておく。
高度恐怖症の怖がり親父と白峰三山。 日照時間の短いこの時期、
日暮れが早いので早々に下山する。 危険箇所を迂回出来ないか上から
探してみたが、迂回路はなさそうなので観念して同じルートを下る。
直ぐ横の最高峰である ”塩見岳東峰”(3,052m)から富士山を眺める。
ここから富士山は近く、雲海に覆われ山頂のみが顔を出している。
ザラけた急斜面なので 怖いよ〜!”と思いながら挑んでみると、意外とすんなり(ビビリながら)
下りることが出来た。 下っている場面を写真に出来ないのがしごく残念である。
下り時に ”塩見小屋”を覗いてみる。 営業は10月末で終わって
おり、今は緊急(避難)小屋として一部が開放されていた。
塩見小屋附近から左遠くに三伏小屋が見える。 縦走路を見ると帰りの方が登りが多い様に見えた。
実際、三伏峠までは下っている感じがしなかった。 登山口から塩見岳への
標高差は1,417mであるが、トータル標高差で見ると2,100mもある。
下山時、多くの登りの人とすれ違う様になる。 皆、凄いザックを背負った人ばかりなので天幕泊、縦走なのであろう。
日帰りらしき物好きな人は見掛けなかった。 ある人にザックの重量を聞いてみると20kgと言う。 既に修行の重量ですな。
4時38分、11時間11分で登山口に帰り着く。 下山時に撮ろうと思っていた紅葉、黄葉の写真は日暮れてしまい撮れなくなってしまった。
5時10分、11時間43分で駐車場に帰り着く。
駐車場に着いた時は日暮れて真っ暗になってしまった。
9時間43分にて”三伏峠小屋”に戻る。 朝には一張もなかった
天幕であるが、10幕程、張られていた。 ガスが上がって来て、
周辺の山はまったく見えなくなった。 カッパを持って来ていない
ので雨になる前に下山したい。
〔参考〕今日は一人なので、岩登りの写真が撮れなかった
ので同じ個所の写真をネットから探して来た。
三伏小屋より少し歩くと塩見岳、烏帽子岳の分岐となる。
折角、一緒に歩けると思っていた先行者は烏帽子岳側に
縦走すると言うので会った瞬間でお別れとなる。
三伏山より三伏峠小屋を振返り見る。
この辺りまで降りれば一安心であるが、これからが長い道のりとなる。
塩見小屋は良い位置に建っている。 ここに泊まって御来光を見てみたいものだ。
ここから長い長い下山が始まる。 日が暮れまでに駐車場に戻りたい。
日本百名山』 凄く良い山だが標高差が大きく距離が長いので日帰りはしんどい。
しおみだけ
トラバース路は樹林帯の中であり、しばらくは展望が得られなくなる。
いつの積雪か判らないが、日影には残雪として残っていた。
”塩見岳”への起点となる ”塩見小屋”の屋根が見えて来た。
営業小屋部分はがっちりと戸締りされていたが、避難小屋部分は
開放されていたが、寝具は無いので宿泊は難しそうであった。
2023年12月27日改定